ときどき同じ夢を見るという方がいました。
夢の中でキツネが出てきて目の前で座って、
何も言わないしどんな気持ちかも伝わってこない。
毎年数回は見てきた夢で、
もしかしたら自分はキツネ憑きだろうか、
良くない霊に影響されているのかと思っていたそうです。
実際ある霊能者のところに相談に行ったときに
「それは大変な狐が憑いているから、
とるのに時間がかかる。狐とかたくさん低級霊が視える」
と言われて怖くなってしまったそうです。
霊査していくと、小さな鳥居が視えてくるのと
その前にたくさんのお供えものや祈っている人たちの姿が出てきたのですが、
相談に来られた方は自分の家ではそういうことはしていないのでわからない。
しかし、しばらく考えて
「でも、父方の先祖が昔に大きな商家を営んでいたことを聞いたことがあります。
私も小さい頃にその家のあった場所に連れて行かれたことがありますが、
そのときにはもう住む人もいなくて広い敷地でしたから、
すごく寂しい感じがしたのを覚えています。
今では過疎化したような村なので土地もそのままに残っているようです。
お話をしていて思い出したことがあるのですが、
そこの庭に小さな祠と古びた鳥居のようなものがありました」
商家では、今でもよくお稲荷様をおまつりすることがありますが、
このお家のように誰も継ぐ人がいなければきちんとお礼を伝えて
お清めをして神ごとを終わらせることが必要です。
子孫の代にそれを伝えるためにときどき夢に出てきたのと、
昔は大切にお祀りしてきたので神霊の怒りはないものの、
未だ不十分なことを知らせてきたのです。
*後日、やはり古いお札があったそうです。きちんと神社へお返しして
お礼参りをしていただいてから、夢に現れることもなくなったとのことでした。